昨年、2010年1月に、以前のブログに投稿した「簡単にできる中綴じ豆本 」の記事が、今でもとてもアクセスが多い。 それだけ自分で豆本を作ってみたいという人が多いことなのか? 豆本って、読むのも楽しいけど、自分で作ることもまた楽しいので、ぜひ挑戦してみてほしいと思いますので、以前の記事をもっとわかりやすくしてこっちにアップしなおします。 一般的な製本には大きく分けて「平綴じ」と「中綴じ」があります。
豆本工房わかいで売っている豆本はほとんどが「平綴じ」で、ハードカバー。上製本ともいうものです。
豆本『金沢のおいしいもの』 *写真はクリックすれば拡大できます この製本は私のような素人には無理。そこで提案するのが「中綴じ」のソフトカバーの冊子です。
中綴じってわかります? 週刊誌のように束ねたページの真ん中をホチキスなどで留めて2つ折りにした製本方式です。
そして、通常、ページをレイアウトしたりするには、イラストレータやインデザインという、プロユースのソフトを使いますが、ここではより一般的で、わかりやすいマイクロソフトのワードやジャストシステムの一太郎といったソフトの「冊子印刷」機能を使って製本します。
作るのは豆本『金沢のおいしいもの』のダイジェスト版です。 上記はドロー系のレイアウトソフトで作っていますが、ここではマイクロソフトのワードで作り直します。
使うのは、Microsoft Word 2007です。
実は普段は、Word 2003をおもに使っているので、2007はメニューが全く変わり、「どこに何があるか?」を探すのが大変でした(笑)。でも場所さえ見つかれば、使い方は大差ないようですね(これ以外のバージョンや一太郎など、他のワープロソフトでも大体同じようなことができると思いますが、詳しくないので)。
用紙のサイズ設定。とりあえず規定で一番小さいカードサイズを選択 *写真はすべてクリックすれば拡大できます 本はこのサイズの二つ折りの大きさになりますので、小さな「豆本」ができる予定です。
ページ設定画面の余白のタグをクリックし、「印刷の形式」を「本(縦方向に谷折り)」を選びます。あわせて余白も設定しておきましょう ワードで冊子印刷を行う場合、上記の設定がポイントです。「1冊あたりの枚数」は「平綴じ」という綴じ方を行う場合は枚数の設定を行いますが、今回のように中綴じでページ数も少なければ、「すべて」のままで。
ちなみに、ページ数が多くて中綴じにすると、折り曲げた時に真ん中のページが小さくなりますので、その分の余白を考慮しないといけません。
各ページ画像や文字を入れていきます 冊子印刷の場合、1枚が見開き(2ページ)の裏表となり、つまり1枚で4ページ分が入ります。総ページ数が、12や24、32、40など、4の倍数でないと、半端が出てしまいますのでご注意ください(余りは白いページのままでもいいのですが)。
画像のレイアウトを設定します 画像を挿入したとき、デフォルトでは「行内」の設定で挿入されますが、画像の高さによって行の並びが左右のページでズレてしまったので、まずは全体の行間隔を「固定」にして見やすい行間のポイントで設定を行い、画像を入れるスペースを改行で作り、「前面」に変更します。
すべてのページが出来上がったら、印刷の設定を行います。両面印刷を行うので、「手差し両面印刷」にチェックを入れて、「プロパティ」をクリックして、プリンターの詳細設定を行います プリンターの詳細設定画面で用紙サイズを選びます。プリンター設定画面はメーカーや機種によって異なります さて、いよいよ印刷です。今回、表紙は別の用紙で作ろうと思っていますので、とりあえず、本文(32ページ)分だけ印刷してみることにします。
まずは用紙を準備します。指定したカードサイズの用紙をカットして作ります。
紙には折りやすい方向があり、二つ折りにする際、この向きにさからって折ると、しわが寄ったりしてきれいに折れません。
紙の目をみます 簡単な見分け方として、縦方向と横方向、それぞれ写真のようにふわふわと上下に振ってみると、なんとなくどちらかの方がしなやかに曲がりやすいく感じます。本にして折るとき、その曲がりやすい方向に折るように、用紙を指定サイズにカットします。
鉛筆でカットする線を引き、カッターで切ります。使った用紙はエプソンの両面印刷用紙です 最後に仕上げをしますので、少しくらいはギザギザになっても気にしません。ただし、大きさはなるべくそろえ、斜めになったりしないように カットした紙をプリンターにセットして印刷を実行します。片面の印刷が終わったら、指示通り、再セットして裏面の印刷をします ありゃ、用紙が小さすぎて印刷がうまくいかず、文字がぶれちゃいました。カードサイズはこのように柔らかい紙は向かなかったのかな ★うちのプリンター(ちょっと古い)ではうまくいきませんでしたが、これでうまくできる場合もありますので、まずは試してみてください。これでうまくいったら、★★へ進んでください。 まあ、せっかくなので一応製本してみましょう。失敗なので表紙はつけず、中面だけで作業を続けます。
センターをホチキスで綴じます。ホチキスが届かないときは、写真のように下に消しゴムをおいて上からプレスします ホチキスの針は2か所で留めます。折り目の山に針の中心が来るように、必ず外側から内側に針を刺します(逆向きだと完成後、ホチキスの曲がった針が指に刺さったりして危ない)。消しゴムで針を刺したら、消しゴムを抜いて、針を指で内側に折り曲げます。
綴じ終わったら、背以外の3方をカッターで化粧断ちします 一応完成。ありゃ、余白が足りなくて、中の方は絵が切れちゃいました さて、この失敗で学んで作り直したものを紹介します。最小サイズでうまくプリントができない場合は、お試しください。
前の失敗は用紙のサイズが小さすぎてうまくプリントできなかったためなので、一回り大きなA7サイズに印刷してそれを断ち落としてA8サイズにすることにしました。
まずは前回作ったものの用紙設定を変更し、余白を大きくとって仕上がりを半分の面積にする 前回と同様に「手差し両面印刷」を行う 今回はきれいに印刷できました。やっぱり前回はサイズが小さすぎたようです(あくまでもうちの場合)。
★★続いて表紙をデザインします。 表紙もMicrosoft Wordで作る。デザインに凝りたければ、表紙だけパワーポイントとかペイントなど、別のソフトで作ってもいい 帯やラインなど裁ち落としにしたいものは、仕上がりサイズよりもはみ出させてください。
表紙は厚い紙で絵が奇麗に出た方がいいかと思い、写真用紙を使用します。
本来は本文と同じサイズにしたいところですが、手持ちがなかったためL判用紙を使いました。
表紙と中身がそろったらまずは1枚1枚きれいに折って重ねていく 表紙と中身の紙の大きさが違うので、表紙の下の部分のみカットして基準線を作ります。折り目とこの基準線で全部のページを揃えます。ページの順番が間違いないか、ヌケはないか、閉じる前に確認しましょう。
揃えたら、ずれないようにホチキスで止める 今度は消しゴムを使わず、ホチキスではさむ方を少しカットしてはさめるようにしてから綴じました。
ホチキスで留める際、針の出る位置が、山折りのセンターに来るように注意して、ずれないように慎重に止めます。
うーん、0.5mmくらいずれちゃいましたが、この程度であれば大丈夫 あとは開いて周囲をカッターできれいに化粧断ちする コツはいっぺんにたくさん切ろうとせず少しずつ何度もカッターの刃を走らせると意外ときれいに切れます。それとカッターの刃は頻繁に折って新しいものを使うようにしましょう。
最後に小口(ページをめくる側)は本を閉じて上から押さえつけながらカッターで切り揃える じゃ~ん! これでようやく完成! 中を開くとこんな感じ この製本なら、ワードがある程度使えれば簡単。最近、若いアーティストを中心に盛り上がっている「ZINE(ジン)」と呼ばれるアートブック作りや、地域や趣味のコミュニケーション手段となるリトルプレスという少部数の雑誌作りがありますが、この中綴じ豆本作りはそれにも応用できます。
ぜひ、試してみてください。
◎豆本工房わかいは、11月19日(土)、20日(日)の金沢駅もてなしドーム地下で行う「雑貨×作家マーケット 」に出店します。またさらにいくつか新しい商品も持っていく予定です。どうぞ、ご期待ください。 http://mameneko.com/
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テーマ:手作り製本・カルトナージュ - ジャンル:趣味・実用
2011/10/15(土) 19:18:21 |
豆本工房日誌
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